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お花見エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストランでのビッキーユーリのグルメ探訪2016.03.22

お花見 (第24話)

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桜が咲いた。
ユーリはビッキーを誘って本牧三渓園にお花見にでかけた。
バスに乗ってゆく。昔は市電に乗っていったことだろう。
横浜市にとって市電をなくしたことは大きな失敗だっただろう。
今や全国の都市で路面電車がみなおされ、
保存され、市民や観光客が大いに利用する。
横浜駅からみなとみらい、象の鼻パーク、山下公園、新山下、本牧、三渓園まで
路面電車があれば市民の利用と共に観光客ももっと増えるにちがいない。
本牧桜道のずっと桜の並木の下を歩いてゆく。
三渓園は生糸貿易商で美術愛好家の原三渓が私的庭園を横浜市に寄付したものである。
池や森があり、仏教の建物や茶室や飛騨の民家もある。
原三渓はここで家族と共にすごすと同時に
原は才能あふれる美術家たちを食客として養っていたのである。
三渓というのは三つの客ということである。
昔はすぐそばが海で、海水浴場があった海から見て
間門が一の谷、そして二の谷、三の谷と続く。
三渓園を後にすると本牧は街中も桜でいっぱいだ。
山の公園へ歩いて登り、桜に囲まれた広場でユーリの手作りのおにぎりを食べる。
暖かい日差しの下。澄んだ空気の中で食べるおにぎりは格別においしい。
こうしてビッキーとユーリは暖かい春の日、
桜の花に囲まれてゆったりと二人の時間を過ごした。
やがて夕方になり、バスで横浜駅まで来て
駅からすぐのイタリアンレストラン エル・スウェーニョにやってきた。
ロゼのスパークリングワインを頼み
満開の桜の中にいるようにふわりふわりと酔うのであった。

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第24話 終わり

 

卒業式の女子会(第22話)エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストランでのビッキーユーリのグルメ探訪2016.03.22

卒業式の女子会(第22話)エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストランでのビッキーユーリのグルメ探訪

 

ユーリの先輩のマユとナオは今年卒業だ。
卒業式を終えて、ユーリとキヨと合流して

4人は横浜駅から歩いてイタリアンレストラン エルスウェーニョにやってきた。
入って左の奥の個室の席と、女子会料理コースを予約しておいた。

ソファーのある奥まった板張りの部屋は白い壁に囲まれ、ちょっと異次元の空間だ。
本当の木の板を敷いているのはめずらしい。
自然の木や土壁の空間は、現代では稀なこととなっている。
4人はイタリアのロゼのスプマンテを1本注文した。
フェッラーリ社のデザイナー、スカリエッティの名がついている。
「カンパーイ」
「卒業おめでとう」
「おめでとう」
「おいしいい」
お料理は女子会コースだ。まず モッツァレラチーズと完熟トマト

スモークサーモンわさびソース
生ハムプロシュート
おまかせサラダ、これはレタスとルッコラに菜の花やキャベツ、セロリ、パプリカなどの煮込み野菜だ。
フライドポテト
炭火焼きの焼きたてふわふわのキッシュ
若鶏のからあげ
トスカーナピザ
田舎風ラザニア
そしてデザートとして、ティラミス。
たくさんの量と質は抜群だ。これで2000円はすばらしい。
4人は、おいしいスプマンテを飲んで、

おいしい料理をいっぱい食べて、大満足で幸せな時をすごした。

 

第22話 終わり

第30話エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジービッキーとユーリのユルメ探訪2016.03.22

第30話エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジービッキーとユーリのユルメ探訪

                                   

                                        

 

ビッキーとユーリはオリュンポス神殿の大広間のダイニングテーブルで神々と一緒に食事を楽しんでいる。

3Dシアターの映像をここまで見て、部屋に不穏な空気が流れた。

気の強い、戦いの女神アテナがバーンとテーブルをたたき、立ちあがる。

「こんなことは許せない。ギリシャをバカにして。トロイアのものども、思い知らせてくれる」

アポロンが困った顔をして答える。トロイアの城はアポロンの神殿なのだ。

「姉さん、すみません。こんなことをしでかして。全く、困ったことをやらかしてくれたもんだ」

気の強いアテナはアポロンだけでなく父のゼウスをにらみつけ、

「元はといえば、お父様の愚行によるもの。お父様の気まぐれが引き起こしたんだわ」

ゼウスはしあさっての方を向いている。

アテナは今度は妹のアフロディテをにらみつけ、

「全く、あんたがキューピッドをしつけてないからこんなことになるのよ」

アテナはツカツカツカと立ち去った。

アフロディテは下を向いてキョロキョロしている。デュオニッソスがニヤニヤしている。

「さてと、困ったことになったな。トロイアへ行って準備しなくては」

とアポロンは立ち去る。ヘルメスとアルテミスは

「忙しくなるぞ、戦争の準備をしなければ」

と、それぞれ立ち去る。

アルテミスはギリシャ軍の出航に際して、風を吹かせるためにアガメムノンの娘を生け贄に求めた。

アルテミスはアポロンと双子だったので、気持ちとしてはトロイアにくみしていたのである。

父のゼウスとアフロディテも災いを引き起こした責任を感じてそれぞれの部屋へ引き上げる。

こうして大広間はビッキーとユーリとデュオニッソスの3人だけになった。

ビッキーとユーリは気まずくて下を向いていたがデュオニッソスがニコニコと笑っているので安心することができた。

3Dシアターはアテネの街を映し出す。商店街の向こうの中央広場の祭壇で、多くの人々の前でホメロスは歌う。

「ミューズの女神よ 詩の女神よ 我に歌わせたまえ ヘレネの後悔を ヘクトルの困惑を

トロイアへ逃げ帰ったパリスとヘレネは、初めは歓迎されたのだが、

王子の美しい花嫁が実はギリシャの王妃だとわかりパリスの父や母はショックで寝込んでしまった。

パリスの兄でトロイアいちの英雄ヘクトルがパリスを呼びつけて言う。

「パリス、お前はなんということをしでかしたのだ。自分のしたことがわかっているのか。

あの美しい花嫁はギリシャ王妃だというではないか。

これがどういうことを意味するかわかっているのか。

これからどういうことになるのかわかっているのか。」

パリスは答える。

「すみません、兄さん。こんなことになってしまって。

そんなつもりではなかったのですが、気がついたら手を繋いで一緒に帰ってきてしまっていたのです。」

ヘクトルが言う。

「とやかく言ってももう遅い。ギリシャは攻めてくるぞ。

普通の男どもなら俺が全部打ち負かしてやる。しかしあちらにはアキレウスがいる。

どれほど強いか。果たして勝てるか」

—–

部屋に一人、物思いに沈むヘレネ。

ここは異国の地。誰も知った人はいない。私はなぜここにいるの?なぜこうしてここにいるの?

故郷を捨て、家族を捨て、仲間たちを捨て、あの人についてきてしまった。

そして異国の地で一人。あの人は、優しいわ。他の人たちもそつなくやさしい。

けれども本心は困惑しているのね。それはそうでしょう。私はギリシャの王妃。夫のある身。

これからどんなことがおこるか。手にとるようにわかるわ。

多くの男たちが戦い、死ぬことになるわ。なんてことをしてしまったのでしょう。

私にはわからない。どうしてこんなことをしてしまったのか。

お母さん、どうしているかしら。一人残して来てしまった。

お父様には会ったことがない。うわさでは、ゼウスの神だとも言われる。

ほんとうかしら。信じられない。

仲間の友だちたちは大変でしょう。大変な騒ぎになっているでしょう。

メネラオス様、許してください。不実な妻をお恨みでしょう。許してください。

あの若者はやってくるだろうか。まだ若いとはいえ、一番の勇者。

アキレウスはこの地で戦えば死ぬことになることを予言されている、それでもやってくるだろうか。

会いたい……」

ホメロスはここまで歌って倒れて気を失った。全身全霊を出し尽くしたのだ。

広場の人々は感動に心を打たれている。

ビッキーとユーリとデュオニッソスも感極まっている。やがてデュオニッソスが口を開いた。

「ビッキー君、ユーリちゃん・お恥ずかしい家庭の内輪もめを見せてしまってごめんね。

あいさつがおくれたが私はデュオニッソス。バッカスとも呼ばれる。

この家では放蕩息子と思われている、いわば異端児だ。

だが君たち子供には縁がないが、ぶどうと酒を人間に授けたのは私だ。

また、やはり子供にはよくわからないだろうが

陶酔、恍惚、熱狂といったよくわからないものの神とも言われる。

それはまた感動というものにも通じる。ホメロスはすばらしい。彼は最初の詩人だ。

だが彼は盲目で字は書かない。ホメロスの歌を聞いた人が文字で書き残すだろう。

今、我々が聴いた歌は「レダと白鳥 あるいはヘレネイア」として書き残されることだろう。

ホメロスの歌はまだまだ続くことだろう。

アキレウスとヘクトルの二人の英雄の戦いの歌は「イリアス」として書き残されるであろう。

そしてみんな戦い、みんな死ぬ。

木馬の計によって、ついにはトロイアは滅ぼされ、アガメムノンやオデュッセウスたちのギリシャへの帰還の旅の歌は「オデッセイア」として書き残されるであろう。

人々に愛される最古の詩。ホメロスの三部作として後の世に残されることだろう。

だがしかし、私には見える。時が経ち、年月が過ぎ、一人の嫉妬深い神が現れ、

自分以外の神をその凶暴な力で打ち壊すことだろう。我々を忘却の彼方へ追いやってしまうだろう。

我々は失われることはない。だが、ホメロスが失われることにならなければよいが……」

 

第30話 終わり

第29話エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪2016.03.22

エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー

ビッキーとユーリのユルメ探訪 第29話

 

オリュンポス神殿の大広間のダイニングテーブルでビッキーとユーリはゼウスたち神々と一緒に食事を楽しみながら3Dシアターの映像を見ている。

映像はアテネの街の情景を映し出す。まるでそこにいるかような臨場感だ。

アテネの商店街をすぎた広場にたくさんのひとが集まってホメロスの歌を静聴している。

中央の祭壇の上に立ち、両手を天に差し伸べホメロスは歌う。

「ムーサの女神よ 詩の女神よ 我に歌わせたまえ ヘレネの美しさを そしてパリスとの恋を。

ヘレネの王宮にはさまざまな人が訪れる。ある時、トロイアの王子パリスが訪れた。貴公子だ。

王宮の女たちや少女たちは夢中だ。

ヘレネもすてきな若者とは思ったが自分の妻としての立場をよくわきまえていた。

パリスはヘレネの美しさに感動したが、やはり立場を考え、スパルタ王の妻に対して差し障りの無い態度をとっていた。

ところが、アフロディテ(ヴィーナス)女神の赤ん坊のエロース(キューピッド)がよちよちと飛びながら2本の矢を放ち、

それが間違ってヘレネとパリスに当たってしまった。たちまち二人は恋に落ちる。

そしてそのままヘレネとパリスは手に手をたずさえ、連れ立って船でトロイアに逃げ帰ってしまった。

さあ、王宮は蜂の巣を突っついたような騒ぎだ。

いろんな人がいろんなことを言い、いろんなことをする

妻を寝取られたメネラオス王は茫然自失し、部屋に引きこもってしまって何の指示もできない。

あの美しい妻を隣国のトロイアの王子が連れ去った。なんたること。なんという恥。

わしは何とあわれな男か。国中の笑いものだ。こんなことがあっていいものか。

どうしたらいいものか。うつうつと考え、落ち込んでいるメネラオスのところへ兄のアガメムノンがやってきた。

そして狼狽している弟をしかりつけ、ギリシャをあげて軍をつくり、トロイアを攻めると告げた。

さあ。戦争だ。

メネラオスはたいしたことができないので、アガメムノンがギリシャ軍の総大将となり、

ギリシャ中の諸公、勇者たちに伝令が飛び、勇者を募り軍を組織した。

軍の参謀はオデュッセウスである。

オデュッセウスはギリシャ中の強者を集め強力な軍を組織していたが、ある一人の男がまだ見つからない。

アキレウスだ。少女合唱団の中にいることをつきとめたオデュッセウスは、少女たちを集め、おくりもののおみやげを並べた。

女の子たちの好きそうなお菓子や人形、飾りものなどの中に一本の槍があった。

真っ先にその槍を掴んだのがアキレウスであった。

 

 

第29話 終わり

第28話エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪 第28話2016.03.22

エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー

ビッキーとユーリのユルメ探訪 第28話

 

オリュンポス神殿の大広間のダイニングテーブルでビッキーとユーリは神々と一緒に食事を楽しみながら3Dシアターの映像を見ている。まるでそこにいるような臨場感だ。

映像はアテネの街の情景を映し出す。アテネの商店街の向こうの広場でたくさんの人々の前でオリュンポスの祭壇の上に立つホメロス。ホメロスは両手を天に差し伸べ歌う。

「ムーサの女神よ 詩の女神よ 我に歌わせたまえ ヘレネの美しさを アキレの愛らしさを

メネラオスの王官で、ヘレネは少女合唱団のリーダーとして、訪れる人をもてなしたり年下の少女たちの世話をしたりして暮らしている。

この頃はヘレネは際立って美しい年頃の女となり人気も高かった。

毎年新しい年下の少女が新メンバーとして加入してくるが、

今回はアキレという非常に可愛い女の子が新メンバーとなり、人気を集めた。

ヘレネはアキレの人気に嫉妬した。

ヘレネはアキレを部屋に呼びつけ、アキレの姿を上から下までジロジロ見た。

確かに顔は可愛い。でも、ちょっと変。アキレの体に触れてみた。

「あっ!おまえは男!」

アキレは下を向いて泣き出しそうだ。

「なぜ女の子の姿に?」

「ママのいいつけです」

「ママとは?」

「ティティス」

「おまえがアキレウスなの?」

ヘレネはまじまじと少女の姿のアキレウスを見た。そして将来どれほどの青年になるかを想像して胸が高鳴った。

「いいわ。このことは二人だけのことにしましょう」

そうしてなにくわぬ顔で合唱団で歌い踊り、お客をもてなしてすごした。

やがてヘレネは王メネラオスの妃としてむかえられた。

しかしメネラオスは醜男であった。かつ、兄のアガメムノンの威光で王になっている程度の男でたいした実力者ではなかった。

ヘレネは王妃として何不自由ない生活を送っていたが、夫を愛することはできなかった。

ヘレネの慰めはアキレであった。女の子として連れ回してはいたが、ヘレネの空想の中ではたくましい英雄アキレウスの姿が思い浮かんでいた。

 

第28話 終わり

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