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エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪(10)2016.01.31

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー
ビッキーとユーリのユルメ探訪(10)

ドドドドドドドドド
ケンタウルス ノートンは走る。
ビッキーとユーリを乗せて。
道は一本道。
向こうから一台のオートバイが来る。
大きなオートバイだ。
女が乗っている。
美しい女だ。
ビュッとすれ違いざまに手を振った。
お互いに振り返って後姿を追う。
今のはハーレーダビッドソン1200㏄デュオグライド。
黒く大きい。
乗っていたのはマリアンヌ・フェイスフル。
細身のレザーのつなぎ姿だ。
あの胸にもう一度…
黒い雄牛が美しい女を乗せて走る。
かつての男のもとへ。
…………
レベッカは結婚したばかりだ。
夫は教師でパッとしない。
それなりに幸せなのかもしれないが
レベッカはなんとなくつまらない。
そんなレベッカのもとへ贈り物が届く。
レイモンからだ。
贈り物はアメリカ製ハーレーダビッドソン1200.
ヨーロッパには数台しかないしろものだ。
レベッカの脳裏にかつての日々がよみがえる。
まだ娘の時代にオートバイでやってきたレイモン。
モトグッチファルコーネの後ろに乗って遠出した。
冷ややかな風、飛んでゆく景色。
アランドロンの体にしっかりつかまって二人きりで
新しい世界を走る。
アランドロンからオートバイの運転の手ほどきを受ける。
そして恋のてほどきも。
降りしきる雪の中をノートンアトラスに二人乗って走る。
「私の気持ちわかってる?」
山道を登り、雪の中で愛し合う。
……………
今、寝ている夫の横から起き出すレベッカ。
素肌にそのままレザーのつなぎをまとう。
ハーレーダビッドソンにまたがる。
そして走り出す。
レイモンのもとへ。ふりかえる。「抱いてくれたら、いかなかったのに」

黒い雄牛が走る。
美しい女を乗せて。
かつての男の胸へ。
道をどんどん走る。
青春の日々が脳裏をかすめる。
どんどん走る。
道ゆく人。
カフェの人。
橋。
草原。
街。
どんどん走る。
過ぎ去った愛の日々が脳裏によぎる。
走馬燈のように現れては飛んでゆく。
すごいスピードで走る。
前の車を追い越しにかかった。
対向車が来た。
追い抜いてから避ければいい。
スピードをあげた。
そこにオイルが・・・・
目の前にトラックの大きな荷台がせまった。
そこに描かれたデュオニッソスの顔が大きく迫ってきた。
………………
原題は「オートバイ」
フランスのマンディアルクの薫り高い文学作品だ。

             第十話おわり

20 × 20

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪(9)2016.01.31

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー
ビッキーとユーリのユルメ探訪(9)

ドドドドドドドドド
ケンタウルス ノートンは走る。
ビッキーとユーリを乗せて。
道は一本道。
向こうから一台のオートバイが来る。
男が乗っている。
ビュっとすれ違いざまに手を振った。
お互い振り返って後姿を追う。
今のはブラフシューペリア
乗っていたのはアラビアのロレンス。
トーマス・エドワード・ロレンス
イギリス軍将校にして、単身アラビアの砂漠に向かう。
冷厳にして、苛酷にして
そして美しい砂漠。
砂漠を楽しむものが二つある。
神々とベドウィン。

砂漠の民ベドウィン。
ロレンスは案内のベドウィンの男と砂漠を行く。
井戸がある。
案内の男はロレンスに水を飲ませる。
ふう生き返ったとロレンスは一息つく。
「飲まないのか?」と男に尋ねる。
「おれはベドウィンだ。」と答える。
遠くの山の上から男の叫び声が聞こえる。
案内の男は顔色を変え
バッと逃げようとする。
「バーン」
銃声がして男は死んだ。
遠くからラクダが近づいてくる。
だんだん近づいてくる。
まだまだ遠い。
だんだん近づいてくる。
男が乗っている。
ラクダの男はロレンスの前にきた。
「なぜ殺した?」ロレンスが言う。
「掟を知っているはずだ」
「私は殺さないのか」
「おまえはベドウィンではない」
「彼は飲んでない」
「そうだったか」
オマー・シャリフは言い、ロレンスを連れてゆく。

ベドウィンの族長シャリフのもとでロレンスは彼らと同じ生活をする。
厳しい戦いの暮らしだ。
過酷な自然。
男たち。
やがてロレンスはベドウィンたちの信頼を得、部族たちをまとめあげてゆく。
………………
アラビアのロレンスは退役した後
イギリスでゆったりと暮らす。
愛したのはブラフシューペリア
1000㏄Ⅴツインの当時最速最高のオートバイだ。
数台ブラフを乗りついだ後
オートバイ事故で死んだ。

             第九話おわり

20 × 20

エルスウェーニョ(横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン) マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪(第8話)2016.01.23

エルスウェーニョ(横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン)
マスターファンタジー
ビッキーとユーリのユルメ探訪(第8話)

ドドドドドドドドド、、、、
ケンタウルスノートンは走る。
ビッキーとユーリをのせて。
道は一本道。
向こうから一台のオートバイが来る。
男が2人乗っている。
ビュッとすれ違いざまに手を振った。
お互いに振り返って後ろ姿を追う。
今のはノートン500怪力号。
運転していたのはエルネスト。後ろはアルベルト。
エルネスト・ゲバラ。
まだチェ(おじさん)と呼ばれる前だ。
ゲバラは、少年期からキューバ革命を経て、
ボリビアで戦死するまでずっと日記を書いていた。
大学時代、医学を専攻する傍ら、
友人のアルベルト・グラナーデと2人で南米大陸を旅する計画を立てる。
アルベルトのノートン500 1台に2人で乗って。
アルゼンチンの自分の家で旅行の計画を家族に話した時、父親は一言。
「許さん。」
紆余曲折を経て、さぁ出発と言う日の
エルネストを見送る家族の人たちの姿。
お母さんは心配そうに無事に帰ってきてねという。
妹達もそれぞれ心配そうに、かつ寂しそうに
大好きな兄と順番に抱擁を交わす。
まだ幼さの残る弟が行かないでと言う。
お父さんは
「エルネストこっちへ来なさい。」
と彼と2人きりになると
「全く、お前がうらやましいよ。
もう少し私が若かったら、
お前の代わりにあのオートバイにまたがって旅に出る所だ。
気をつけてな。」
と別れの言葉を送った。

怪力号はポンコツだ。
バンバンとマフラーから火を吹きながら
ヨタヨタと走りだす。
子供たちが追いかけて
「走った方が速いよ。」
こうして2人は旅に出た。
怪力号に2人乗りしてテントやシュラフなど
旅の道具をたくさん積んで走る。
草原を走る。
旅だ。世界だ。
馬に乗った男たちと並んだ。
競争だ。
走る。走る。
馬のほうが早い。
途中、恋人の家に立ち寄った。
フランス貴族の館のようだ。
恋人のお母さんは家柄の違いの為か
エルネストとアルベルトに冷たい。
エルネストは恋人と2人の時間を過ごす。
出発は日一日と延ばされる。
恋人が言う。
「じっと帰りを待ってろと?」
やっと怪力号と2人は出発した。
エルネストは走りながら思う。
「いかなる力が私をして旅に駆り立てるのか?旅立たなければいられないのか?」
******************************
チチカカ湖を船で渡る。
エルネストがアルベルトに言う。
「年をとって旅に疲れたら
あの湖畔に診療所を作ろう。
来る人みんな拒まず診てあげよう。」
「いいねえ、そうしよう。」
雪のアンデスを凍えながら超え、
チリを走る。
いろいろな道。
いろいろな街。
いろいろな人。
怪力号は壊れた。
2人で押して旅をする。
怪力号との涙の別れ。
歩いて旅をする。
貧しい若い夫婦と一緒になった。
鉱山で仕事を探すのだそうだ。
「君たちは何の目的で旅をしている?仕事を探しているのか?」
と聞かれる。
エルネストは答える。
「僕たちは旅をするために旅をしている。」
旅をするために旅をする。
……………………………………………..
エルネストとアルベルトは南米の貧しい人たちと
出会い、交流することで社会の現実を思い知らされる。
そしてライ病患者たち。
彼らを世話しながらエルネストもアルベルトも
社会の底辺であえぎ、暮らしている人たちのために
自分の身を捧げようと心に誓う。
後にチェ・ゲバラはキューバ革命を成功させ、
カストロと別れたのち
ボリビアで人民戦線を率い、銃殺された。

(第8話おわり)

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪(6)2016.01.18

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー
ビッキーとユーリのユルメ探訪(6)

ドドドドドドドドド
ビッキーとユーリを背中に乗せて
ケンタウルス ノートンは走る、走る、走る。
草原を突っ切り砂漠を走る。
遠くに白い頂が連なる。
かつて三蔵法師と孫悟空たちが通った道だ。
ドドドドドドドドド
遠くに土煙が上がっているのが見える。
狼の大群が走っている。
近づくとオオカミと見えたのはモンゴルの騎馬軍だった。
大軍だ。
ドドドドドドドドド
地響きがこだまする。
ケンタウルスは後ろから騎馬軍を追い越してゆく。
どんどん追い越す。
まだまだたくさんいる。
大軍だ。
やっと先頭が見えた。
剣を振りかざし大声で叫んでいる。
ジンギス・カーンだ。

ケンタウルスはジンギス・カーンに並んだ。
「おお、ビッキー君にユーリちゃん、ケンタウルスのノートンさん。
ここでお会いできるとは。
わしの天の馬もさぞうれしかろう」
「こんにちはカーンさん、天馬さん
おうわさはかねがねきいておりました。」
とノートン。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「ケンタウルス ノートンさん、いつかお会いしたいものだと思っておりました。」
と天馬もニッコリ。
かつてソーホーと走った伝説の馬だ。
「我々は走ることが無上の喜びですな。」
天の馬に乗ったジンギス・カーンと
ケンタウルス ノートンに乗ったビッキーとユーリは
すごい速さで並んで走りながら、
大声でいろいろな話をした。
「ビッキー君、ユーリちゃん、
実はわしも君たちと同じ国の生まれじゃ」
「えー、本当ですかあ」
「父上は源氏の頭領、源の義朝、母は常盤御前じゃ。
平清盛に敗れて、父と兄者たちは死んだ。
頼朝の兄貴は伊豆に流され、わしは鞍馬に預けられた。
子供の頃は牛若丸と呼ばれて剣術が達者じゃった。
京の四条大橋での弁慶との勝負でわしの名は上がった。
剣は力ではない。
平家にあらずは人にあらずの世であった。
源氏の血を引くわしは弁慶たちと奥州藤原氏のところへ逃れた。白河の関より北は別の国で独立していた。
藤原氏は平泉で金の寺や館を立ち並べ、
栄華を誇っていた。黄金の国ジパングじゃ。
そのころ金はいくらでもあった。
安倍氏と津軽十三湊の安東氏も同族じゃ。
十三湊は大陸と交易が盛んで、大陸の人たちも多くにぎやかな都のようであった。
関東で兄の頼朝が源氏の旗を上げ
わしも馳せ参じ、源氏の兵を率いて西に向かった。
京で木曽義仲を追い払い、須幡の一の谷の逆落としで平家の大軍を打ち破った。世の人は信じられなかっただろう。
屋島でも奇襲で勝ち
いよいよ檀の浦の決戦をひかえたころ、
わしは、弟の平清経に密使を送った。
わしの母が清盛との間に産んだ子だ。
「平家は減じる領西(九州)に逃れて馬を養え」と。
清経は源平の決戦の前、宇佐神社に神託をうかがい、
平家が負けると受け、周防灘で入水自殺したと伝えられている。
敵前逃亡の汚名をかぶったのだ。
実はひそかに柳ヶ浦に上陸し、豊後の雄、緒方の養子として、同東の山の中に隠れておった。
毎夜、よとぎに訪れる村の女たちに種を残しておったのだろう。
神託のとおり、わしは平家を海に沈めた。
船の戦いでは禁じ手の相手の水主を射殺しての勝利だった。
なおかつ天皇の母君である若く美しい建礼門院を水から引き上げて介抱するうちに関係してしまった。
若気の至りじゃ。
源平の戦では百戦錬磨のわしじゃったので庶民には人気が高かった。
源家では不評をかった。
京で判官として貴族のようなきらびやかな生活をしておったのもいけなかった。
兄の頼朝はわしを恐れておった。
天性のわしの剣術、馬術、戦術の才を恐れて、
わしを討ちに兵を送った。
わしは京を逃れて、摂津(大阪)渡辺から船で領西をめざした。

清経に合流するもくろみもあったが、
大嵐で船は紀の浜に打ち上げられた。
なんという不運。
それからは不運につぐ不運であった。
興福寺でしばらく滞在し蔵王崇で妻の静香御前と別れた。
そこから先は女人禁制だ。
静香は身ごもっていた。
申し訳ないことだ。
どうしようもない状態だったとはいえ
後悔。後悔じゃ。
白山修験、立山修験を隠れながら春を待ち
奥州に向かう。
わしの姿があからさまになったのは北陸の
富 氏の前のみ一度きりであった。
焼けた東大寺再建の為の勧進の行者として
弁慶に引き連れられた我々は富 氏の尋問にあう。
富 はわしのことを見抜いたうえでおすみつきの勧進と共に行かせてくれた。

第二の故郷 藤原氏のもとへたどりついた。
みんなが大歓迎してくれた。
もう安心。
わしは修験道の旅の間じゅう
反省しておった。
何がいけなかったのか。
わしほどの才能と勝利の実績を持ちながら
このような不遇をかこうのは、いったい何がいけなかったのか
だいたいわかってきた。わしは戦術、奇襲にたけていたが、
先を見とおす戦略というものがなかったのだ。
世の中が大きく変わる時代なのに
わしは公家になったつもりでいた。
平家や義仲と同じ間違いをおかしたのだ。
頼朝の兄者はそこが違う。
新しく世をつくりあげていくのだ。
わしは衣川で再起をはかっていた。
必ず恥と汚名をそそぐ
兄を見返してやる。
が、また不運にも頼りの藤原秀衡が死んだ。
鎌倉は奥羽に進軍して来た。

わしは安東水軍を率いて大陸へ渡った。
大陸でもわしの騎馬術、戦術にかなうものはいなかった。
奥へ進軍しモンゴルで天の馬を得た。
鬼に金棒だ。
わしの騎馬軍は無敵だった。
金(中国)を滅ぼし、元を築くころ
清経が合流した。
弟は平家追討が激しくなるにつれ
椎葉や五条の荘に逃れたが
まだ若く戦いの炎がくずぶったままだったので宗像水軍を率いて、大陸に渡り
わしのところへ合流して来たのだ。
わしらは良く語り合う。
大陸をすべて支配し尽したら
いつか故郷に錦をかざろうぜと。恥をすすがねばならん。
大船と大軍をひきつれて、
源家のど肝を抜いてやろうぜと。」
天の馬とケンタウルスはどんどん走る。
モンゴル騎馬軍もどんどん走る。

「ビッキー君、ユーリちゃん、
わしらはロシアへ向かう。
ここらでお別れだ。
ケンタウルスどの二人をよろしく頼む」
「カーンさん、ご武運を。
天の馬さんご活躍を。
さようなら。」
「さようなら。」
「さようなら。」

おわり

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