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横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョでのビッキーとユーリのグルメ探訪(3)2015.11.29

横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョでのビッキーとユーリのグルメ探訪(3)

数週間たった。
ビッキーは横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョのあのラザニアの味が忘れられなかった。
きっとイタリアの田舎の家庭で
古くから食べられている味なんだろうなと思った。
ユーリを誘って
横浜駅から歩いてイタリアンレストラン・エルスウェーニョを訪ねた。今回が三度目だ。
店内に入ってビッキーはふと思った。
「ここは空気がきれい。さわやかだ。」
いつもの店員ががにこやかに二人を奥のグランドピアノのあるホールの席へ案内してくれた。
床は本物のオークの板張り日干しレンガとしっくいの壁に囲まれている。
窓はない。
前回も前々回もうっすらと感じていたが
空気がさわやかで気持ちがいいのだ。
長い時間いても疲れることがない。

シックハウス症候群いう言葉がある。
ビニールクロスと接着剤ばかりの新しい部屋で病気になるのだ。空気がそういう材料によごされるからだ。

しかし無垢の木、日干しレンガ、テラコッタ、しっくいという自然の素材は空気をよござないばかりでなく
、湿度の高いときは、水分を吸い、乾燥している時は、水分を放出する。
それはマイナスイオンとして空気を浄化する。事前の空気洗浄装置なのだ。
なによりこれらの自然素材は呼吸する。
生きているのだ。
それが人間にどのように影響するかは
長い歴史の中で証明されている。
産業革命の後、石油化学工業の発達で我々の生活環境をとりまく素材は激変した。
効率ばかり追い求めることを反省し、人間にとって、そして地球にとって、何が大切なのか考えなおさなければならない。

「やあ、いらっしゃい。また来てくれたね」
と江野が気さくに迎えてくれた。
「とってもおいしいのでまた来ちゃった。」
とユーリがいたずらっぽく笑う。
「今日はイベリコ生ハムとイベリコスープのつけめん、それに合うワインを一本お願いします」
とビッキーが注文する。
いつものように江野が開けて注いでくれたワインはアゴンターノと読めた。イタリア南部のマルケ州のワインである。
赤の色も黒々と濃く、味も重濃な感じだ。
赤ワインでは濃厚な味をフルボディと呼ぶ。
対して中くらいをミディアムボディ、軽めをライトボディと呼ぶ。
このアゴンターノはフルボディである。
イベリコ生ハムの皿が来た。
あざやかな赤い肉の色に白いラルド(脂肪)が散っている。
一口食べるとおいしさが体中に広がる。

とろけるような味と深い香り。
「こんなにおいしいものがあったなんて!」
ユーリは感激してビッキーと顔を見合わせる。
スペインやポルトガルのあるイベリア半島。
イベリア半島産の黒い大きい豚をイベリコと呼ぶ。
ハモン・イベリコ・デ・ベジョータと称する。
ハモンは後ろ足のことを指すがもともと美味を意味する。
ベジョータはどんぐりなど木の実のこと。
スペインの山の牧場で放し飼いにされ、木の実やハーブを食べて育つ。
そして生ハムとして三年間の熟成を経て、完成する。いや人工的飼料をいっさい食べないからこそ、三年間の熟成に耐えうるのだ。
ビッキーとユーリも「横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョ・マスター小説 第三話」でイベリオとイベリコの物語を読んで感動した。あのようにしてイベリコは生き、あのようにしてハモンイベリコに生まれ変わるのだ。
それがこの味、このおいしさなのだ。

ビッキーとユーリはイベリコ生ハムを食べ
アゴンターノの赤ワインを飲み
横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョの奥テーブルで至福の時を過ごしている。
店内の席ももうだいぶ埋まってきてにぎやかになってきた。
ピアノベースとテノーサックスの演奏が始まった。
目の前で聞くピアノの美しい音色。
サックスの深い音、曲は「レフト・アローン」美しいバラードだ。
優雅な雰囲気の中で二人はますます幸せになってきた。
イベリコ豚骨スープのつけめんというのが運ばれてきた。
デュラムセモリナ粉を打って茹で上げた手打ち生パスタを冷水でしめて盛ってある。
茶碗に濃厚な香りの暖かいスープが入っていて、それにパスタをつけて食べる。
モチモチしたパスタの味が濃厚スープによく合う。
この豚骨スープは江野の独創でイベリコ生ハムを削り取った後の足の骨を野菜といっしょに一週間煮込むのだ。
ゆっくりと時間をかけて煮込。
濃厚ですばらしい味のスープができる。
ちなみにこのスープでつくるイベリコラーメンは知る人ぞ知る幻のラーメンである。
横浜駅イタリアンレストラン・エルスウェーニョの夜はまだまだ続く。
お客様もどんどん来店してくる。
ジャズの生演奏もどんどん続き雰囲気を盛り上げている。
ビッキーとユーリの幸せな夜も過ぎてゆく

              第三章おわり
20 × 20

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