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エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪(9)2016.01.31

エルスウェーニョ(横浜駅イタリアンレストラン)マスターファンタジー
ビッキーとユーリのユルメ探訪(9)

ドドドドドドドドド
ケンタウルス ノートンは走る。
ビッキーとユーリを乗せて。
道は一本道。
向こうから一台のオートバイが来る。
男が乗っている。
ビュっとすれ違いざまに手を振った。
お互い振り返って後姿を追う。
今のはブラフシューペリア
乗っていたのはアラビアのロレンス。
トーマス・エドワード・ロレンス
イギリス軍将校にして、単身アラビアの砂漠に向かう。
冷厳にして、苛酷にして
そして美しい砂漠。
砂漠を楽しむものが二つある。
神々とベドウィン。

砂漠の民ベドウィン。
ロレンスは案内のベドウィンの男と砂漠を行く。
井戸がある。
案内の男はロレンスに水を飲ませる。
ふう生き返ったとロレンスは一息つく。
「飲まないのか?」と男に尋ねる。
「おれはベドウィンだ。」と答える。
遠くの山の上から男の叫び声が聞こえる。
案内の男は顔色を変え
バッと逃げようとする。
「バーン」
銃声がして男は死んだ。
遠くからラクダが近づいてくる。
だんだん近づいてくる。
まだまだ遠い。
だんだん近づいてくる。
男が乗っている。
ラクダの男はロレンスの前にきた。
「なぜ殺した?」ロレンスが言う。
「掟を知っているはずだ」
「私は殺さないのか」
「おまえはベドウィンではない」
「彼は飲んでない」
「そうだったか」
オマー・シャリフは言い、ロレンスを連れてゆく。

ベドウィンの族長シャリフのもとでロレンスは彼らと同じ生活をする。
厳しい戦いの暮らしだ。
過酷な自然。
男たち。
やがてロレンスはベドウィンたちの信頼を得、部族たちをまとめあげてゆく。
………………
アラビアのロレンスは退役した後
イギリスでゆったりと暮らす。
愛したのはブラフシューペリア
1000㏄Ⅴツインの当時最速最高のオートバイだ。
数台ブラフを乗りついだ後
オートバイ事故で死んだ。

             第九話おわり

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