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第26話エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪 第26話2016.03.22

  1. エルスウェーニョ 横浜駅ジャズ&イタリアンレストラン マスターファンタジー ビッキーとユーリのユルメ探訪 第26話
  2. オリュンポス神殿の大広間のダイニングテーブルでビッキーとユーリは神々と一緒に食事を楽しみながら3Dシアターの映像を見ている。まるでそこにいるような臨場感だ。
    映像はアテネの街の情景を映し出す。おしゃれな商店街を過ぎた中央広場にオリュンポスの祭壇があり
  3. たくさんの人々が集まりその祭壇の上で歌うホメロスを静かに聞いている。
  4. ホメロスは両手を上に差し伸べ歌う
    「ムーサの女神よ 詩の女神よ 我に歌わせたまえ ヘレネの愛くるしさと、テセウスの物語を そしてアリアドネの愛と悲しみを。
    ヘレネたち少女合唱団は王宮に訪れる人達を歌と踊りでもてなす。
  5. ある時、アテナイ王テセウスが王宮を訪れた。
  6. そして楽しい宴も過ぎ、ヘレネたち若い人々を相手に若いころの冒険の話をしてくれた。
  7. それは愛と悔恨の物語でもあった。
  8. たくましい若者に育ったテセウスは自ら志願してクレタ島へおもむいた。
  9. クレタ島の怪物ミノタウロスを退治するためだ。
  10. 毎年ミノタウロスに生け贄が送られていたのだ。
    クレタ島の王女アリアドネはやってきたテセウスにたちまちに恋をした。
  11. テセウスはミノタウロスと戦わなければならない。
  12. ミノタウロスは頭が牛の怪物で、ラビリントスという入ったら出られない迷宮の奥にいる。入ったら誰も絶対に出て来られない。
  13. テセウスを愛するアリアドネは糸玉をテセウスに渡し、糸をほどきながら迷宮を進むように教えた。
  14. 言われたようにして奥まで行ったテセウスはミノタウロスを殺し、その糸を伝って迷宮から出て帰ってくることができたのだ。
  15. アリアドネはすべてを捨ててテセウスについてきた。二人は船でクレタ島に立ち寄り、愛しあった。
    —–
    海岸。
    朝日が昇る。
    目覚めるアリアドネ。
    ここはどこ?
    なぜひとりなの?
    まだ夢を見ているのね
    きっとまだ夢なんだわ
    あまりに幸せだったから
    こんなこわい夢を見るのね
    もうすこし眠りましょう
    —–
    いいえ、夢じゃない
    あなた、どこ?
    あなたの熱い胸はどこ?
    たくましい腕は?
    ついさっきまで暖かく抱きしめてくれていたあなたはどこ?
    なぜいないの?
    なぜなの?
    —–
    あんな遠くに船が見える
    あなたはあの船の上なのね
    私を置き去り?
    どうして?
    こんなに愛しているのに
    こんなことって
    あなたに全てを捧げた私
    あなたのために全てを捨てた私
    その私が置き去り?
    一人取り残されてしまったの?
    どうして?
    —–
    砂浜に伏してなくアリアドネ。
    太陽が輝く
    波の音
    時が過ぎる
    泣きつかれて眠るアリアドネ
    —–
    ここはどこ?
    だれもいない。やはり。
    本当なのね。やはり。
    信じたくないけど、本当なのね
    もう生きていることもないわ。
    このまま死んでゆけばいいんだわ。
    恨んだってしょうがない
    泣いたってしょうがない
    どうすることもできないこと
    全ては遠く、手の届かないこと。
    —–
    暗闇の中にじっと座るアリアドネ
    海を見ている
    波の音
    —–
    はっ、誰か来る
    誰?
    あなたなの?
    あなたじゃないのね
    誰?
    私に何の用?
    もう生きる力もない私に何の用?
    いっそ殺してくだされば
    はっ、あなたは?
    あなたの姿は…
    神…
  16. 第26話 終わり

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