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散る桜 エル・スウェーニョ 横浜駅ジャズアンドイタリアンレストラン ビッキーとユーリのグルメ探訪 26話2016.04.02

散る桜

 

満開の桜はすぐに散り始める。
「春のうららの隅田川 かいのしずくも花と散る」
桜吹雪の舞う川の情景が目に浮かぶ。
同じく滝廉太郎の荒城の月も竹田、
岡城址での夜桜の上の月である。
桜が散るということが古来日本人の精神にどれだけ大きく影響を与えたかは想像に難くない。
武士道の精神は潔さということである。
武士は剣を持って戦わなければならない。
相手を倒さない限り自分が死ぬ。死ぬことを常に想定しているのだ。
戦いたくなくても、相手がいくら強くても主君の命であれば逃げることができない。
上意というものによって、宮本武蔵のような剣豪に立ち向かい、
そして斬られるのだ。
あるいはなにか不始末をしでかした場合は切腹ということも当然であった。
自分の命を主君のため、国のため、

家族のためにいつでも捨てるという武士道の高潔な精神構造は

おそらく日本独特のものだろう。

それは桜の散る姿の潔さ、美しさから育まれたものかもしれない。

西ヨーロッパの中世に騎士道というものが生まれ、育っていく。
ユーラシア大陸の東と西で封建社会の中で武士道と騎士道が生まれ
発達し近代市民社会の基礎となるのだ。
江戸の街は、当時は世界で最も清潔で美しく
最も美しい美術文化を生み出したといわれる。
しかしながら、散る桜の潔さを最も強調し強要したのは太平洋戦争末期であった。
ほんの70年ほど前のことである。
映画「永遠の0」でも描かれる神風特別攻撃隊とは
零戦ごと爆弾を抱いて敵艦へ体当たりする。
桜花という爆弾自体に人が乗って体当たりする方法もあった。

横浜駅イタリアンレストラン エル・スウェーニョの奥のテーブルで
ユーリは熱っぽく映画 「永遠のゼロ 」で岡田准一が演じた主人公の話をしている。
ビッキーはフンフンと聞きながら、
パルマ超熟プロシュートを食べながら、
プーリアのイタリアワインを飲んでいる。

 

 

第26話 終わり

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